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サプリメントに使われる賦形剤の種類と特徴を解説|サプリメントOEMのポイント

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サプリメントに使われる賦形剤について

サプリメントや健康食品の錠剤・カプセル・顆粒などには、ほとんどの場合「賦形剤(ふけいざい)」と呼ばれる添加物が使用されています。賦形剤は、単なる“かさ増し”ではなく、製品を安定的に製造し、安全に摂取できる形に整えるために欠かせない存在です。

この記事では、代表的な賦形剤の種類と特徴を整理し、サプリメントOEMで知っておきたい基礎知識をまとめました。

賦形剤とは

賦形剤とは、錠剤・カプセル・顆粒などを安定的に製造するために添加される原材料の総称です。主な目的は次のとおりです。

  • カサを増して飲みやすい大きさにする
  • 粉末を均一に混ぜやすくする(流動性の向上)
  • 錠剤の形を保ち、崩壊や劣化を防ぐ
  • 吸湿による品質低下を防ぐ

製品に使われる原料の性質によって、賦形剤の種類や配合量は変わります。

代表的な賦形剤の種類と特徴

賦形剤名 食品区分 特徴・目的
デキストリン 食品
  • でんぷんを酵素で分解した原料
  • 粉末をさらさらにして均一性を保つ
  • サプリではカサ増し、食品では増粘剤・安定剤として利用
マルトデキストリン 食品
  • デキストリンと近い原料で、水溶性が高い
  • 顆粒や粉末飲料に利用される
  • 粉末化の安定性を高め、加工性を改善
結晶セルロース 食品添加物
  • 植物由来の不溶性食物繊維
  • 錠剤の結合剤や崩壊剤として使用
  • 味や色がなく、他原料との相性が良い
二酸化ケイ素 食品添加物
  • 固結防止剤として粉末をさらさらに保つ
  • 食品衛生法で使用基準が定められている
  • 母乳代替食品や離乳食には使用不可
ステアリン酸カルシウム 食品添加物
  • 植物由来(パーム油など)
  • 打錠機からの離型剤や固結防止剤として利用
  • 流動性の確保に有効
HPC(ヒドロキシプロピルセルロース) 食品添加物
  • セルロースの誘導体
  • 結合剤としての効果が高い
  • 固まりにくい原料の安定化に有効
乳糖 食品
  • 哺乳類の乳に含まれる二糖類
  • 固結防止剤として粉末の凝固を防ぐ
  • ※乳糖不耐症の方は注意が必要
ナタネ硬化油 食品
  • ナタネ油に水素を添加して固形化
  • 製造機への付着を防ぐ滑沢剤
  • 錠剤の硬度を保ちやすいのが特徴
ショ糖脂肪酸エステル 食品添加物
  • 水と油をなじませる乳化剤
  • 粉末やカプセル内容物を均一に混ぜやすくする
  • 安定した製品設計に役立つ
ポリビニルピロリドン(PVP) 食品添加物
  • 結合剤や崩壊剤として使用
  • 水溶性が高く、錠剤の崩壊性を調整可能
コーンスターチ(トウモロコシデンプン) 食品
  • 昔から用いられる賦形剤
  • 崩壊剤や流動性改善に利用
  • 天然由来で汎用性が高い

よくある質問(Q&A)

Q. 賦形剤は体に悪いのですか?
A. 賦形剤はすべて食品や食品添加物として安全性が確認され、使用基準も法律で定められています。適切に使われる限り、健康に悪影響を及ぼす心配はほとんどありません。
Q. 賦形剤なしでサプリメントを作ることはできますか?
A. 一部の製品では可能ですが、粉末が固まりやすい・錠剤が崩れやすいなど、製造や品質に課題が出ることが多いです。そのため、多くのサプリメントでは必要に応じて賦形剤が配合されています。
Q. 天然由来の賦形剤もありますか?
A. はい。デキストリンやコーンスターチなど、天然由来の食品原料も多く利用されています。できるだけ自然な原料を選びたい場合は、天然由来の賦形剤を使った処方を検討するとよいでしょう。
Q. 賦形剤によってアレルギーが起こることはありますか?
A. 乳糖など一部の賦形剤は、乳糖不耐症やアレルギーを持つ方に影響する可能性があります。心配な場合は事前に配合原料を確認しましょう。
Q. 賦形剤はGMP認証工場でどのように管理されていますか?
A. GMP認証工場では、賦形剤を含むすべての原料について、受け入れ時の品質確認やロットごとのトレーサビリティが徹底されています。保管条件や使用量も規格化され、製品ごとに適切な管理が行われます。
Q. 賦形剤の使用量には上限があるのですか?
A. はい。二酸化ケイ素のように使用基準が定められているものや、摂取上限を考慮して設計するものがあります。GMPや食品衛生法に基づき、安全性を確保できる範囲で配合されています。
Q. 医薬品とサプリメントで使われる賦形剤に違いはありますか?
A. 多くは共通していますが、医薬品では日本薬局方など厳密な規格に従う必要があります。サプリメントは食品扱いのため、食品添加物公定書や厚生労働省の基準に従って使用されます。
Q. 賦形剤の選定は誰が行うのですか?
A. 基本的にはOEMメーカーの処方開発担当者が行います。製品の剤形や成分特性に合わせて最適な賦形剤を選定し、必要に応じて「天然由来を優先」などクライアントの要望を反映します。

まとめ

サプリメントに使われる賦形剤は、品質を安定させ、飲みやすさを実現するために欠かせない存在です。安全性や使用基準が定められており、適切に利用されることで製品の信頼性を高めます。

OEMでサプリメントを開発する際は、どの賦形剤を選ぶかも重要なポイントです。処方や剤形に合わせた最適な組み合わせを検討し、自社ブランドに合った製品を作りましょう。

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