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サプリメントの剤形バリエーション徹底ガイド|目的別の選び方・メリット/デメリット

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基礎知識

サプリメントの剤形バリエーション

サプリメントの剤形(形状)とは?

サプリメントの剤形は、配合成分の特性やターゲット(年齢・性別・生活シーン)、訴求したい飲用体験によって最適解が変わります。本記事では、ソフトカプセル/ハードカプセル/錠剤(打錠)/顆粒の4形状を中心に、メリット・デメリット・向いている用途の観点で整理します。
トレンド(グミ・ゼリー・スティックドリンク等)の最新動向は、別記事「サプリメント形状トレンド2025」をご参照ください。

まず決めるべき「選定軸」4つ

  • 安定性:酸化・湿気・光への耐性、成分の劣化リスク
  • 飲みやすさ:サイズ感、喉通り、味・匂いの影響
  • コスト感:設計・製造の難易度、必要設備、歩留まり
  • 用途・訴求:美容/機能性/スポーツなど、摂取シーンとの相性

ソフトカプセル

液体・ペースト原料をゼラチン皮膜で包み、密封するカプセル。
油溶性成分(EPA・DHA、アスタキサンチン等)や匂いの強い原料に好相性です。

メリット

  • 密封性が高く、酸化・劣化に強い
  • ツルッと飲みやすい形状で飲用体験が良い
  • 内容液により吸収性の設計自由度が高い

留意点

  • 原料は液状・懸濁化が基本(配合の工夫が必要)
  • 温湿度管理・殻の可塑剤設計など製造要件がシビア

向いている用途

オメガ系・カロテノイド・オイルベースの美容訴求、臭いのマスキングが必要な処方 など

ハードカプセル

粉末・顆粒を充填する一般的なカプセル。熱・圧力ストレスが低く、成分劣化を抑えやすいのが特長です。

メリット

  • 熱・圧力の影響が小さいため、デリケートな原料にも対応しやすい
  • 配合自由度が高い(ブレンド粉末をそのまま充填)
  • サイズ・色バリエーションが豊富で設計が柔軟

留意点

  • 粉末特有の匂い・味は完全遮断はしにくい
  • 崩壊後は粉末が広がるため、胃への負担感は少ないが味が出やすい

向いている用途

ビタミン・ミネラルの複合、ハーブ・乳酸菌など粉末主体の処方 など

錠剤(打錠)

粉末・顆粒を圧縮成形。大量生産に向き、形状・コーティングで意匠性の表現が可能です。

メリット

  • コスト効率が良くスケールに強い
  • 形・コーティングで見た目や飲み心地を調整できる
  • チュアブル等、咀嚼型への展開も可能

留意点

  • 賦形設計(流動性・圧縮性・離型性)が品質を左右
  • 高配合原料では硬度・崩壊性の最適化が課題

向いている用途

価格訴求・大ロット、チュアブルでのキッズ向け設計、美容定番配合の量産 など

顆粒

粉末より大きく粒揃えされた形状。粉塵が出にくく、溶けやすいため、飲みやすさと即時性を両立しやすい。

メリット

  • 崩壊・溶解が速い(即時性の演出がしやすい)
  • スティック充填により携帯性・飲用シーンの幅が広がる
  • 味付け・香り付けで嗜好性を高めやすい

留意点

  • 湿気の影響を受けやすく、保管・包装の配慮が必要
  • 高機能原料は味・匂い対策(マスキング)が鍵

向いている用途

スポーツ・エナジー、機能性表示の即時実感訴求、フレーバー重視の企画 など

目的別・クイック比較

項目 ソフトカプセル ハードカプセル 錠剤(打錠) 顆粒
安定性 酸化に強い(密封) 熱圧ストレス小 処方依存(賦形設計) 湿気に配慮必要
飲みやすさ 喉通り◎ サイズ選択で調整 コーティングで改善可 そのまま・溶かして可
設計自由度 液状中心 粉末ブレンド自在 賦形・硬度調整が鍵 味・フレーバー設計可
向く成分 油溶性・臭い原料 熱に弱い粉末 汎用成分全般 即時性訴求・嗜好性

どの剤形が最適かは、訴求・成分・ターゲットの三位一体で決まります。まずは想定摂取シーンを定め、そこから逆算すると早いです。

よくある組み合わせの考え方

  • 油溶性美容訴求(例:アスタキサンチン)→ ソフトカプセル
  • 多成分の機能性複合(例:ビタミン+ミネラル+ハーブ)→ ハードカプセル
  • コスト効率重視の定番処方 → 錠剤(打錠)
  • 即時性・フレーバー重視 → 顆粒(スティック)

さらに、費用相場の考え方OEM依頼の流れも合わせて検討すると、より現実的な判断ができます。

FAQ

Q. 最小ロットから対応できますか?

仕様にもよりますが、小ロット・試作からのご提案が可能です。形状ごとの最小数量はご相談ください。

Q. 臭いや味が強い原料はどの形状が向いていますか?

マスキングしやすいソフトカプセルや、味設計の自由度が高い顆粒が候補になります。原料特性に応じて最適化します。

Q. 子ども向けにはどの形状が良いですか?

チュアブル錠やフレーバー顆粒など、飲みやすさ・嗜好性を重視した設計が一般的です。年齢に応じてサイズ・味を調整します。

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